初呑み切りって何?
こんにちは😃三度の飯より酒が好き🍶ピロリンです!
さて、今回は【初呑みきり】についてレポートします。
『初呑みきり』とは・・・酒蔵さんがその年の酒質を見極めるために行う伝統行事を指します。
毎年本格的な夏を迎えるにあたり、酒蔵さんではその年に仕込んだお酒の酒質や熟成の度合などお酒の出来の確認を行います。お酒を仕込んだタンクの口を開栓する事を『呑みきり』と言い、その年初めて行う呑みきりを『初呑みきり』として伝統行事として古くから行われています。
近年では、衛生管理のレベルが昔と比べて大きく改善している事から火落ち菌(酒質を劣化させる菌)などの繁殖による酒質の劣化がほとんど無くなりました。なのでこのような行事を行わなくなっている酒蔵さんが多いようです。
日本酒の消費低迷が続く中、このような行事を一般向けに公開している酒蔵さんもありますね。
伝統や文化を重んじる久須美酒造さんではもちろんこの初呑みきりは年に一度の恒例行事として行っていますが、あえて一般公開はしておりません。
極一部のお取引様と醸造試験場の方、そして顧問の先生をお招きして行っています。
さて、今回はその超貴重な機会にお招きいただく事が出来ましたので早速レポートしちゃいます。
⬇️何度見ても心が洗われる新緑のお米の田んぼと白塗りの壁。
少し母屋のお茶の間で休憩の後、いざ試飲へ。
⬇️タンク毎に瓶詰めされているお酒がズラリ🍶
一つ一つのタンクでも仕込みのタイミングや酒蔵内でのタンクの位置によって熟成の仕方は変わります。それだけ管理が難しいということですね。
こちらにずらっと並んでいるお酒を全て試飲してタンク毎の『酒質』と『熟成度合』について、そしてコメントを書きながら評価をしていきます。
緊張の一瞬ですね・・・・。
試飲をする際にもコツがあるのですが、それはまた別の機会にしましょう😀
私も僭越ながら評価させていただきました。
比較して飲んでみると同じ銘柄のお酒でも、香りや膨らみ方、余韻など、本当にひとつひとつ印象が違うんですね。
余韻のキレが凄く良いもの。口に入れた時の膨らみがあるものなどなど。
改めて微生物を相手にする日本酒造りの難しさや面白さを体感しました。
さて、タンク毎のお酒の試飲が終わると今度は製品化された商品の飲み比べです。
🔽改めて比較して飲んでみると違いがよく分かります。
香り高くシャープなキレの吟醸酒
米の旨味がグワッと広がる純米酒
そして別格の熟成酒🍶
久須美酒造さんのお酒は近年流行っている香りがプンプンしたり、濃厚でお酒自体が強く主張するタイプのお酒ではありません。
いつまでも飲んでいられるような、そんな透き通った美しいお酒ばかり。
その中にも一つ一つの商品に個性がしっかりと感じられ、奥ゆかしさを感じます。
そんな感じで無事に全ての試飲が完了です。
試飲が終わると会場を変えて、おいしい料理とお酒を楽しみながら今回のお酒の評価を専門家の先生方から頂戴します。
2019年の久須美酒造さんのお酒は「酒質・熟度ともに順調であり非常に良い状態である」という結果に。
秋あがりの旨味がノッテきた頃のお酒が今から楽しみですね!
🔽どれも最高でした
結びに・・・
今年久須美酒造さんは約30年間利用してきた甑(こしき)(お米を蒸す桶)を新調したそうです。ただ、作りたての甑は木の香りなどが付いてしまう等、酒質に影響を与えてしまう為、4年かけてお湯をかけたり適度な負荷をかけながら甑を慣らしてきたそうです。
綺麗な飲み口、酒質を大切にされているからこそのこだわりですね。流石です!
『 飲んで美味しいお酒をつくる』『価値や伝統を正しく伝えていく』
食事会の際に、造り酒屋の代表として力強くお話をされていた久須美社長のお言葉に『酒蔵の使命と決意』を強く感じた1日となりました。
もっともっと好きになろう、魅力を伝えよう。
そんな気持ちにさせてくれた『初呑みきり』の体験レポートでした。
ちゃおっ!